私も英語の歌から、たくさんのことを学びました。英語の歌から、どんなことが学べて身につくのか。
前回の「英語の歌で、英語を学ぼう!①どうやって学ぶ?」に引き続き、英語の歌からどんなことが学べるか、お伝えします。
どんなことが学べる?
英語の歌からは実に多くのことを学ぶことができます。
リスニング
歌手の歌う英語を何度も注意深く聞き耳に入れるので、もちろんリスニング力がつきます。
英語がどんどん聞こえるようになります。
発音
歌手の英語の発音を一生懸命真似するので、発音も断然良くなります。
口が滑らかに動くようになり、発音に自信がつきます。
英語のリズムやイントネーションも体に染み込んでいきます。
語彙、表現
歌詞の中の様々な単語、英語表現が歌詞の文脈の中で自然に身につきます。
意味のある文脈の中で覚えた単語や表現こそ、本当に自分のものになります。
文法
歌詞の中で使われている文法も学べます。
歌詞は「詩」なので、さまざまな詩的表現が使われます。
たとえば、事実に反することを「もし~だったらいいな」と仮定する「仮定法」は、歌詞の中に頻繁にでてきます。
ABBA(アバ)のMoney Money Money(マニーマニーマニー)には、
If I got me a wealthy man
I wouldn’t have to work at all,
I’d fool around and have a ball
もし金持ちの男をゲットすれば、
働く必要なんかぜんぜんないし、
遊びまわって楽しみまくるわ。
という一節がありますが、斜字体のgotやwouldは過去形ではなくて、「現実にはそうではないけど、仮に金持ちの男がゲットできれば…」という願望を表す英語の表現方法なのです。
「現実と違うことを望む」というのは、歌の歌詞によくでてくるテーマですよね。
仮定法は高校文法でも難しい方です。
私も文法の教科書だけではなかなか理解できませんでしたが、このABBAの曲のような仮定法を含む歌詞に何度も遭遇することによって、やっと仮定法が本当に身についたという実感が持てるようになった気がします。
英語の感覚
これがもしかしたら一番重要なことかもしれません。
「英語を学ぶことは、英語の感覚を学ぶことだ」と主張している著名な英語の先生がいますが、私もその通りだと思います。
英語には日本語とは違った、英語特有の「感覚」というものがあります。
「日本語ではこれはこう考えてこう表現するが、英語ではこのように理解してこのように表現する」というような違いです。
この感覚が身につかないと、日本語で言いたい事をそのまま英語に直訳してしまい、ネイティブからすれば「何を言っているのかわからない」ということになってしまいます。
文法や語彙も大切ですが、「英語の感覚」を身につけることもとても重要なのです。
英語の歌を歌うことによって、このような「英語の感覚」を養うことができます。
英語の歌詞には英語圏の人々の考え方、物の見方、とらえ方、想い、感情というものが込められていて、「英語の感覚」が凝縮して詰まっているからです。
実際、英語の歌詞を読んでみると、「こんな物の見方があるのか、こんな表現方法があるのか」と感心することも多く、思わず「うまいなぁ」と唸ってしまうこともあります。
このように英語の歌詞を「味わう」ことは、「英語の感覚」を肌で感じることであり、とても大切なことです。
「鼻歌」からはじめてみましょう!
二回にわたって見てきた通り、英語の歌は英語を学ぶ格好の材料です。
ぜひ、好きな歌の「鼻歌」からはじめてみてください!